Romeoの雑記集

Romeoと申します。主に社会とかメディアとかメディアコンテンツについて思ったことをつらつら書いています。

新聞と軽減税率の話

はじめに

 今回は読売新聞のこの社説記事について考えたい。

軽減税率 3党合意にも違反していない : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) (2015年12月21日閲覧)

『見過ごせないのは、枝野氏が新聞への軽減税率適用に関して、「新聞よりも水道や電気が必需品だ」と発言していることだ。

 民主主義や活字文化を支える重要な公共財である新聞や出版物に対する理解を欠いていると言わざるを得ない』
(
軽減税率 3党合意にも違反していない : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)より抜粋引用、2015年12月21日閲覧)

 

 

何が問題か?

  僕が疑問に感じた点は、民主党の枝野幹事長の発言を否定している点だ。果たして、今の時代「新聞」は必要なのだろうか?僕個人としては新聞は社会に必要だと考えているし、もっと言えばなくなってもらっては困ると思っている。また一企業として利益を守らねばならない事情もある。しかし「新聞は社会の公器」という言葉があるように、自分たちの利益の前に守るべき対象があるのではないだろうか?

 

日本は「新聞大国」

 日本は先進国の中でも新聞大国である。日本新聞協会の調査データ*1によると、成人人口千人当たりの部数はアメリカ:157.4、欧州ではドイツ:231.7、ノルウェー:368.2といった数値に対し、日本は410という数値だ。よく比較される先進の北欧諸国よりも圧倒的な差だ。日本社会への普及ぶりがうかがえるが近年はデジタル媒体の普及もあり、若干低下している傾向がある。ただ、確かに減少傾向に転じているが、日本は世界各国と比較しても「新聞大国」と言って間違いない。

 

新聞よりも大切な事

 新聞よりも大切な事はなんだろうか?民主主義を支え、今の社会をより良くするためにジャーナリズムは必要だろう。そのジャーナリズムを担う役割として新聞はなくなってはならない。また消費税(付加価値税)を導入している欧州諸国でも新聞や出版物に対しては軽減税率が適用されている。しかし、限られた財源の中で軽減税率の適用に関して新聞が適用されることには疑問が残る。 新聞よりも前に、より生活に必要な部分がある。その意味で枝野幹事長の言葉は正しいと言えるのではなかろうか。

 

ちょっとした考察

 僕は読売新聞的には「民主叩き」をしたかったのでは?と邪推している。保守系、右派寄りの読売新聞から見れば、軽減税率の議論が過熱している今が民主党を叩く「チャンス」だったのかなと思う。ただ、この社説記事は足を引っ張るのではないかと思う。読売新聞の購読者層の大半は中間層以下というデータを以前どこかで読んだ(データ元失念しました、すいません)が、光熱水費が上がったくらいでは困らない富裕層ならまだしも、僕のような中間層やそれ以下の人達からすれば違和感を感じるのではないかな、と。

 

〈参考資料として〉
dragoner、新聞の軽減税率はどれだけ報じられたか」、ヤフーニュース個人、2015年12月21日閲覧
日本新聞協会調査データ各種、2015年12月21日閲覧
以上を使用しました


2015年12月24日に更新しました。

 

*1:日本新聞協会調査データ、「各国別日刊紙の発行部数、発行紙数、成人人口千人当たり部数」、
http://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation04.html、2015年12月21日閲覧