災害と情報格差
はじめに
今回の「熊本地震」では情報格差*1の問題が改めて顕在化したと感じた。東日本大震災でも情報格差が問題視されたが、容易に解決できる問題ではなく、情報化社会の現代ではなくならない課題でもある。4月20日の西日本新聞の記事*2にこの問題について言及した記事があった。かいつまんで要約すると、マスメディアの報道が集中するところには物資も集中するが、マスメディアが報道していないところには、物資不足が続いている。そういったところではSNSが補完をしている。しかし、お年寄りが多い自主避難所などの行政が把握できていないところではこうした手段が使えない、ということだ。
今回は、こうした地震などの自然災害における情報格差の問題について考察する。
*1:「デジタルデバイド(情報格差)」:年齢、年収、地理などの要因によって取得する情報の量や質に格差が生じること
*2:西日本新聞、「支援の格差が顕在化 自主避難所把握しきれず 熊本地震」、2016年4月20日閲覧
「熊本地震」とマスコミ
はじめに
2016年4月16日に発生(14日には同程度の前震が発生)した今回の「熊本地震」であきれる出来事があった。関西テレビの中継車が被災地のガソリンスタンドで割り込み行為を行い給油をしたという話だ。
ITmediaニュース、「被災地のガソリンスタンドで割り込み 関西テレビが謝罪」、2016年4月18日閲覧
関西テレビ、「お詫びとお知らせ」、2016年4月18日閲覧
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高市大臣の発言からみる、メディアの「政治的公平性」
はじめに
高市早苗総務相の政治的公平性を欠く報道を繰り返した場合は、放送法に基づき電波停止を命じる可能性もあると発言したことで波紋が広がっている。
高市総務相発言:「電波停止」 波紋広げる理由とは - 毎日新聞 (2016年2月17日閲覧)
今回は発言内容にもあった「政治的公平性」という言葉について考えてみたい。
続きを読むコピーライティングの炎上、「青春基地」の対応に疑問
はじめに
先日から「炎上」している「コピーライティング(@copy__writing)」のインタビュー記事と掲載メディアの対応などについて思うことを少し。
「青春基地」の対応には疑問
件のアカウントはすでに凍結されているが、炎上の原因となったアカウントのいわゆる「中の人 (記事によるとfallさんというらしい)」のインタビューを行った青春基地の事後対応には疑問を感じざるをえない。
続きを読む新聞と軽減税率の話
はじめに
今回は読売新聞のこの社説記事について考えたい。
軽減税率 3党合意にも違反していない : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) (2015年12月21日閲覧)
『見過ごせないのは、枝野氏が新聞への軽減税率適用に関して、「新聞よりも水道や電気が必需品だ」と発言していることだ。
民主主義や活字文化を支える重要な公共財である新聞や出版物に対する理解を欠いていると言わざるを得ない』
(軽減税率 3党合意にも違反していない : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)より抜粋引用、2015年12月21日閲覧)
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村上春樹氏の図書館貸出履歴報道の問題とメディアの倫理
はじめに
今回の村上春樹氏の貸出履歴報道が問題視されたのは、ライターの猪谷千香さんがハフィントンポストで報じた「村上春樹さんが借りた本はなぜ秘密にされるべきなのか? 神戸新聞報道から考える”リアル図書館戦争”」(ハフィントンポスト、猪谷千香、2015年10月21日)が発端となっている。
何故、今から2ヶ月も前の事を今更ブログにまとめるのか?というと、12月1日に朝日新聞が「村上春樹さんが借りた本、新聞で報道「是認できぬ」日本図書館協会、報告書」(朝日新聞、竹内誠人、12月1日)という記事を目にしたからと僕自身の思考力と文章力の遅さ(主に後者)が理由である。書こうと思っていてそのまま時間が過ぎてしまい、お蔵入り状態になっている物が幾つかある状況でたまたま朝日新聞の報道を目にしたので、今回はこの問題についてまとめてみようと思う。
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